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BMLコンテンツ制作 データ放送を使うとどんなことができるの?
データ放送(BML制作、BMLコンテンツ開発)はコストがかかる
データ放送のBMLはHTMLに劣る
そういった声を良く聞きます。
わたくしたちは、こう考えています。
データ放送(BML制作、BMLコンテンツ開発)は、技術的には難しいものではありません。
ちょっとしたコツは、もちろんあります。それは他のいろいろなコンピュータの言語と同じです。
ポイントは、それぞれ、役割とその目的があるということです。
よくネットでもBMLをHTMLと比較してダメ出ししている論調を見かけますが、本質を知ればそのような発言はできないはずです。
データ放送が仕様化された当時の技術で、一般的なHTMLをデータ放送の言語として利用していたとしたら、例えば映像に連動してコンテンツを動的に書き換えたり、コンテンツの一部のみを更新したりといったことは不可能でした。
放送コンテンツは、映像、テロップ、ワイプ、BMLによる重畳表示・・、いろいろなパーツで最終的な画面を構成しています。
例えばデータ放送を用いた双方向クイズ番組でも、問題や選択肢はテロップで出し、汎用的なボタンのみをBMLで表示して毎回の制作コストをかけない、といったことは良く行われます。
今現在、日本のデジタルテレビ上で、セカンドスクリーンと呼ばれるPCやスマホ、タブレットといった余計なデバイスを使わず、番組との連携や各種データの収集などを行うのはデータ放送を用いることが簡単であり、確実な方法です。
確かに、BMLは使えるフォントのサイズや使える色の制限など、美しい画面を表現するには様々な制約があります。
全てを一つの機能でまかなうのではなく、必要なものを、必要な機能の組み合わせで構築することで、目的のサービスを実現することが現実的です。
デジタルテレビは、いろんな技術と組み合わされて、今まさに進化している最中なのです。
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ネット動画との勝負? テレビはどう進化していくのか?
最近、「Netflix 上陸」に関して、テレビ業界内もいろいろと騒がしくなっています。
黒船来襲、などとも言われているようです。
このストリーミングサービスの普及のカギは、大きく二つあると考えます。
それは、コンテンツと、使い勝手です。
コンテンツに関しては、やはり日本では地上波キー局が何らかの形で関わって制作された作品
の人気が高く、いかにそれらのコンテンツを一気に取り込むかがカギになります。
実は、同じアメリカ発のストリーミングサービスである「hulu」が日本に進出するときにも
やはり「黒船来襲」と、大騒ぎになったものです。
huluは日テレと組むことになりますが、このコラムを書いている時点ではhuluへはTBSやNHK
などは参加されているようですが、やはりキー局同士のライバル心からか、フジやテレ朝は
参加するに至っていません。
今後Netflixはテレ朝、フジを呼び込めるのか、全方位外交をうまくやって全局のコンテンツを
取り込むことができるのか、注目したいと思います。
次に使い勝手に関して、先日東芝がNetflixのダイレクトボタンをリモコンに配置するテレビを
販売するということで話題になりました。
これには私も時代の流れを感じて驚きました。しばらく前まではテレビメーカーはテレビ局に遠慮
してなかなかそういった製品は出すことができなかったからです。
つい数年前も、パナソニックがネットとTVの同時表示ができるテレビを発売したところ
テレビ局からCM拒否される、といったこともありました。
内容は違うとはいえ、確かに時代は少しずつ変わってきているのでしょうか。
現在、携帯キャリア各社が、携帯の契約が飽和に近くなっているので光回線の販売に力を
入れて来ています。
今後、どんどんテレビがネット(光回線)につながり、更に東芝の一部機種だけではなく、
全てのメーカー、機種にワンタッチで起動できるようなサービスへのワンタッチボタンが設置
されれば、そのサービスの使い勝手は飛躍的に向上するのではないでしょうか。
(本当は、各サービスのダイレクトボタンではなく、テレビを点けると今まで視聴した履歴
などの情報から、「今○chではニュースやってるよ」とか、「ネット動画では最近○○という
映画が期間限定で見られるよ」など、嗜好に合わせたレコメンドやってくれるとか、自分が
好きなようにポータルをカスタマイズできれば、使い勝手もさらに向上するように思うのですが、
どうでしょうか。ARIBの規格からはずれてしまうのかも知れませんが、もうそんなことを言っている
時代でも無いように思います。)
今後のストリーミングサービスの、コンテンツと使い勝手の向上には、私も注目していきたいと
思っています。
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NOTTV終了について 偉大なるチャレンジ
開局1年前から、関連するお仕事をやらせていただいていたNOTTVが
2016年6月30日をもってサービスを終了することとなりました。
弊社ではARIBの仕様書作成のお手伝いからこの事業に関わらせていただき、
サービス開始前のシステム(主にデータ放送設備)導入のお手伝い、
データ放送基本コンテンツ制作、各種番組連動コンテンツ制作、
CM運行、視聴データの運用管理などのお仕事に関わらせていただきました。
サービスが終わってしまうのは残念ですが、様々なお仕事をやらせていただいた
株式会社mmbi様には本当に感謝しております。
NOTTVとは言いながら単なるテレビの形から抜け出せなかったという部分は
その通りだと思うのですが、ネット系のベンチャーとは異なり、
やはり大きなインフラ事業ということで軌道修正が簡単では無いという
事情があったと思います。
現在は情報が溢れ、そこからいかに新しい価値や消費を生み出せるかという
時代になっていると感じます。
常に、時代に対応した変革が求められます。
業界では、今度はi-dio(V-Lowマルチメディア放送)が始まっています。
まだまだ、この業界の挑戦は続きます。